EU、ロシア暗号資産取引を全面禁止へ|BTC ETF流出40億ドル突破 — 2月24日

2026-02-24

規制面でEU・米国の双方から大きなニュースが飛び込んだ一日となった。ビットコインは6万5000ドルを割り込み、ETFからの資金流出が5週連続で続く厳しい市場環境の中、ステーブルコイン規制の明確化やBlackRockのETHステーキングETF準備など、中長期的な好材料も複数出ている。

今日のポイント
  • EUが第20次制裁でロシアの全暗号資産取引を禁止へ — DEXやデジタルルーブルも対象
  • BTC現物ETFが5週連続流出で累計40億ドル超 — IBITから21億ドル、FBTCから9.5億ドル
  • SECがステーブルコインのヘアカットを実質100%→2%に緩和し、金融インフラへの組み込みを促進
  • BlackRockがETHステーキングETF「ETHB」のシーディングを開始、SEC最終判断は3月末

EU、ロシア関連の暗号資産取引を全面禁止へ

フィナンシャル・タイムズの報道によると、EUは第20次対ロシア制裁パッケージの一環として、ロシアの暗号資産サービスプロバイダーとのあらゆる取引を全面禁止する方針を固めた。ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が2月6日にパッケージを提示し、ロシアのウクライナ侵攻から4年となる2月24日の採択を目指している。

これまでの制裁は既に制裁対象となったプラットフォームに限定されていたが、今回は分散型流動性プール(DEX)を含むすべての経路を封じる包括的な措置となる。ロシアが開発中のデジタルルーブル(CBDC)も禁止対象に加わった。ただし採択にはEU27カ国の全会一致が必要であり、専門家からは「DEXを通じたステーブルコインへのスワップは技術的に防げない」との懐疑的な見方も出ている。

EU発の規制がグローバルスタンダードとなる可能性があり、他の主要国が追随するかが今後の焦点となる。暗号資産を制裁回避手段として利用する動きへの包囲網が狭まる中、各取引所のコンプライアンス体制が試されることになりそうだ。

BTC現物ETF、5週間で累計40億ドル超の資金流出

ビットコイン現物ETFが2025年3月以来初となる5週連続の資金流出を記録した。週別の流出額は4億ドル→3.6億ドル→3.2億ドル→14.9億ドル→13.3億ドルと推移し、累計で約40億ドルに達している。BlackRockのIBITから約21億ドル、FidelityのFBTCから約9.5億ドルが流出した。

BTCは6万5000ドルを割り込み年初来で約23%の下落。24時間で約5億ドル規模の清算(強制決済)が発生し、Polymarketではビットコインが5万5000ドルを下回る確率が72%と予測されている。

日本のビットコイン最大保有上場企業メタプラネットは、約1046億円(約6.65億ドル)のビットコイン評価損を計上した。ただしこれは時価評価による非現金損失であり、ビットコイン保有数は維持されている。同社の営業利益は前年比約1700%増と業績自体は堅調で、2026年の成長目標を上方修正している。

短期的には下値模索が続く可能性がある。一方、メタプラネットのように保有を継続する企業もあり、現物の売り圧力がどこまで続くかが市場回復のカギとなる。

米ステーブルコイン規制が急展開

SECはブローカー・ディーラー(証券仲介業者)に対し、保有するペイメント型ステーブルコインのヘアカット(評価減)を2%に設定する通達を発表した。従来は実質100%のヘアカット(規制資本として計上不可)扱いだったため、事実上のステーブルコイン解禁に近い措置となる。RippleのRLUSDなど新興ステーブルコインにとっても追い風だ。

一方、ホワイトハウスではCLARITY法(デジタル資産の規制管轄をSECとCFTCに明確に振り分ける法案)の交渉が進んでいる。Ripple CEOのブラッド・ガーリングハウスは同法成立の確率を90%と見込み、4月末までの成立を予想した。焦点のステーブルコイン利回り条項については銀行業界が「預金ビジネスへの脅威」として反対しており、合意には至っていないものの「進展あり」と報じられている。

ヘアカット緩和は地味だが影響が大きい。証券会社がステーブルコインを自己資本に計上できるようになることで、伝統金融とDeFiの接点が一気に広がる可能性がある。CLARITY法の4月末成立が実現すれば、米国の暗号資産規制は新たなフェーズに入る。

KuCoinにEU事業禁止命令、Crypto.comは銀行免許取得へ

オーストリアの金融市場庁(FMA)は2月19日、KuCoin EU Exchange GmbHに対し新規顧客の受入れを即時禁止する命令を発令した。理由はAML(マネーロンダリング防止)・テロ資金供与対策の担当責任者が退職し、重要ポストが空席になったため。KuCoin EUはわずか3ヶ月前の2025年11月にMiCA(EU暗号資産市場規制)のライセンスを取得したばかりであり、取得直後の停止処分という異例の事態となった。

対照的に、米国ではCrypto.comが通貨監督庁(OCC)から国内信託銀行「Foris Dax National Trust Bank」の設立に条件付き承認を取得した。BitGo・Circle・Ripple・Paxosに続く承認で、暗号資産企業の米国銀行業参入が加速している。

「ライセンス取得はゴールではなくスタート」であることをKuCoinの事例が示している。Crypto.comのように銀行業にまで踏み込む取引所と、体制不備で足元をすくわれる取引所の二極化が進みそうだ。

BlackRock、ETHステーキングETFの準備を開始

BlackRockが2月17〜18日にSECへS-1修正書類を提出し、イーサリアムステーキングETF「iShares Staked Ethereum Trust(ティッカー: ETHB)」のシーディング(初期資金10万ドル)を行ったことが明らかになった。ETFは保有ETHの70〜90%をステーキングに充て、残りを流動性として維持する設計。費用比率は年0.25%(初年度に最初の25億ドル分は0.12%に減免)で、BlackRockはステーキング報酬の18%を取得する。カストディとステーキング実行はCoinbaseが担当し、上場先はNasdaq。SECの最終判断は2026年3月末が目安とされている。

3月末のSEC判断が最大の注目ポイント。承認されれば、BTCに続く「ステーキング付きETH ETF」という新カテゴリの投資商品が誕生し、機関投資家のETH保有インセンティブが大きく高まる。

ソース

EU、ロシア関連の暗号資産取引を全面禁止へ

BTC現物ETF、5週間で40億ドル超流出

米ステーブルコイン規制が急展開

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BlackRock、ETHステーキングETFの準備開始